whole8 オフィシャルブログ        カネコは食わねど高楊枝

彫刻家 寺社仏閣、史跡等に作品を納めています。 whole8.6th@gmail.com

素晴らしい!

昨日は良い天気。寒さはありましたが、
やっと刀剣研師の佐々木先生の所へ伺ってきました。

夏頃連絡が来て伺いたかったのだけれども、制作からのNYでの個展が決まりとそれに向けての制作とこの数ヶ月なかなか伺えずの不義理を欠いておりました。
偶然稽古会の友人もこちらにいる事なのでやっとお伺いに。
感想は、本当に楽しい一日。
ずっと笑ってました。
佐々木先生と住み込みの弟子の方々との話はずっと笑ってしまう話。
そして、その都度見せてくれる物凄い刀剣。
どれも手に取って見れる不思議さ。
普段はガラス越しで見るものを手に取って見れる(もちろん物凄い緊張が)刀を見せてもらえました。
仕事前の刀。先生とお弟子さんが仕上げた刀。
本当に綺麗。
人の手の技の素晴らしさ。
そして、自分の手仕事の稚拙さを感じてしまいました。
鉄を砥石だけでここまで出来るだけ技術。
「凄い」としか言葉が出ません。
色々な知識はものすごく、佐々木先生達といる時間はあっという間なんです。
話していると、本当にこの人達が??と思ってしまうくらいそのギャップが凄いのです。
もちろん仕事場(研磨する仕事部屋)にも以前上がらせてもらってますし、見てるのですが、そのギャップがたまらないのです。
一流の人特有の柔と剛の様な、本当に出会えて嬉しいし、今回も一緒に伺った友人は最近地元で刀剣の勉強会にも出てるとの事で楽しんでいました。
少し、刀当たりもしたそうな…(笑
私も、故郷宮崎の飫肥のとある有名な刀を初めに見せてもらった時には久しぶりに息を呑み、その美しさと、凄さに圧倒されました。
刀剣の本にも出てるその刀を先生が新しく研ぎあげ、更に美しくしたものです。
色々みてると、拵の話にもなります。
一琴の拵、そして、後藤と、博物館でも見れないものを今回見せてくれました。
NYで使用の写真という事でその刀を見てる私、何故か撮影会になり(笑

後ろの掛け軸を良く、見ると佐々木先生の師匠の永山光幹先生の押し型もバッチリとここでしか撮れない写真に!
その拵を持っての撮影をしたり(笑

確かに昨日は袴也の姿だったので、戊辰期の様な写真になりました。
初めはティッシュで持っていた拵にちゃんと刀身も入れて、先生がこうしてと言われ、杖の様に立てて写真を撮りました。
これ、本当にすごい事で、今でも思い出すと、震えが出ます。
良く、こういう時値段の話になりますが、もう、そういうのはヤボですよ!
ちなみに、刀身よりも拵が上って、驚きました。
この刀身も書き付けが凄いのですが、拵が…

そして、話は前後するのですが、昨日は自分の刀ニ振りを持って観てもらいました。
1つは古い友人が託して譲ってくれた平造りの刀。(平造りで刀で銘がある珍しいもの)
先生とお弟子さんが、いい刀だ。錆びてるけど、研げば良くなると話してくれました。

それだけで嬉しくなりました。先生達に見せるのも恥ずかしかったにですが、思いもよりませんでした。
そして、なんと!!
この刀先生の所で研いでもらえることになりました。
NYの準備のため、今直ぐに代金は払えませんが、終わって少し経ったら
先生の所で研いでもいます!
まさか、の出来事なんです、普通にうちで研がなくても良いと言われる事もざらでしょうから、それなのに「うちで研ぎますよ」って言ってもらえるなんて、今思い出すと涙が出て来そうなくらい嬉しかったです。
この刀は友人の家の家宝だったんです。その刀のお話はなかなか凄く。ここでは書けませんが…
戦後、から私の所に来るまでで錆がついてしまいましたが、この刀は本当に大事に大事にしていきたいと思いました。
あ!拵も頼まないとなりませんね。
稽古を始めた頃は、やっぱり刀欲しかったのですが、最近はそういう気持ちがそんなに無く、
ましてや、この刀は稽古には使いません!
この刀を大事にして金子家に伝えていきたいです。

ちなみにもう一振りの備前長船兼光の書付つきの打刀も観てもらいましたが、これと言って…と言った刀でした。
まぁ、カタチが奇妙なのと、研ぎもね…
柄はとにかく直しなさい。と言われました。
鞘に螺鈿があるのですが、
この後にみる、先に出た拵の凄さには絶句します。
これはもちろん、持って帰ってきました。
まだまだ、色々な先生の物やお話と書き切れないです。
ちなみに、今回も食事までご馳走になり、お土産までもらい帰って来ました。

自分も最近はやっと作品制作で忙しくなり、なかなか色々な人に会えなくなってきました。
でも、尊敬する人、自分が会いたい人には、やっぱり、会っておかないといけないと思います。
そういう人達に会うと刺激は物凄く、自分の為にもなり、出会えたことが宝なんです。
もちろん、業種には関係ないですが、どうしても、手で作品を作る方々にはひかれます。
もちろん年齢も関係なくです。
本当にありがたいの一言に尽きます。
自分も、もっともっと上手く作品が制作できる様になりたい。
そんな事を思う今日1日です。