whole8 オフィシャルブログ        カネコは食わねど高楊枝

彫刻家 寺社仏閣、史跡等に作品を納めています。 whole8.6th@gmail.com

この数年は。

この数年結構ハードに制作しています。
家康公のしかみ像を増上寺に納めてからかなり生活は変わりました。
人形展や彫刻展等コンペは出せば賞をもらえる様になってきたのは嬉しい限りです。
それからのへうげもの、パリはルーヴルでの展示、パリでのグループ展、日本でのグループ展やコンペ、色々な制作、NYでの初個展とありまして、今年は年頭からデパートを巡るはずでしたが、画廊さんが1/1の打ち合わせの1週間後に急死なされて、それからの人形展、注文等あり、今月のコブラ40周年展と。
去年のNY後は気が抜けて数ヶ月休んでゆっくりとしてましたが、ほぼ制作漬けで身体が悲鳴を上げています。
今も慢性的に両肩から指まで常に激痛が走ります。
制作時はかなり厳しく、寝てもこの痛みは引きません。
そして、起床時は手がかなり渋くてを握ると痛みが走ります。
この数ヶ月は特に酷く、痛みは厳しくなっている感じです。

私の様に悩んで、迷って大学院卒業からフラフラしてた人間がこの数年ちゃんとものづくりで生きていこうと決心してから全て制作に費やしていますので身体にも無理が来るのは仕方ない事なんです。
今までやってきてないのですから人の倍以上制作に時間を費やします。
でも、貧乏でも、不思議と好きな事をやれてるので幸せなんですが、この痛みばかりは最近考えてしまいます。
なんとかならないものか?と。

制作時間を短くするぐらいしか解決方法は無いと思いますが、今は休んでる場合でも無い訳です。
辛いな…と思う時はいつも金子の祖母を思い出します。
明治の人で早くに旦那さん(私の祖父)を無くしずっと家を切り盛りしてきた人です。
うちは江戸から商売をしてる家なので、本当に色々大変だったと思うんです。
戦後直ぐに祖父は亡くなり、一人で子供7人の面倒を見て早朝に築地に行き、夜1時過ぎまで仕事。
こんな生活を60年以上。
晩年は脚の骨が折れても人の助けは嫌だと急な家の階段を登って行きました。
根性が違うんです。
今の時代こういう言い方も何ですが、女性でも明治の人の根性は真似が出来ない所があります。
それ思うと、身体の疲れや痛みは何とか我慢して制作出来ます。
ちなみに工房には父方、母方の祖父母の写真が飾ってあります。
その写真をたまに見ると疲れたと言ってダラダラする訳にはやっぱりいかんのです。
戦前戦後を生きた人に比べれば本当に幸せな毎日なんです。

両方の祖父母に会いたくなります。
特に祖父は両方とも若くして亡くなっているので会ってみたいといつも思うのです。

では、今日ももう少し頑張ります。